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Cinema music No.7 80年代の音を聴け!80's映画名曲選 ー 前編

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久々の映画音楽ネタになります。
今回は80年代映画の中から筆者のオススメ、「これぞ、80年の音」という感じの曲をチョイスしました。
80年代は大衆向けの映画がヒットした背景もあって、青春ものに偏ってしまった感が否めません。

『初体験/リッジモント・ハイ』

(原題:Fast Times At Ridgemont High)1982年

監督:エイミー・ヘッカーリング 

出演:
ジェニファー・ジェイソン・リー、フィービー・ケイツ 、
ショーン・ペン 、ジャッジ・ラインホルド

キャメロン・クロウが脚本を書いたドタバタ青春ものです。初めてショーン・ペンを知ったのが本作でした。
フィービー・ケイツのセクシーなシーンが話題になりました。ジャッジ・ラインホルド、エリック・ストルツなども出演しています。
フィービー・ケイツ人気に気をよくして、翌年には彼女主演で「プライベートスクール」が公開…イヤらしくないセクシーな彼女。クリンとした目がキュートでしたものね〜


Somebody's Baby - Jackson Browne



『フラッシュダンス』

(原題:Flashdance) 1983年 

監督:エイドリアン・ライン
出演:ジェニファー・ビールス 、マイケル・ヌーリー

製鉄所で働きながらダンサーをめざす女の子のサクセスストーリーです。
アイリーン・キャラの「What A Feeling 」は、有名すぎるのでこちらに…といってもこの曲も結構世に知れ渡ってるかな。
こういう軽ぅーい感じのシンセサイザーの音は80年代って感じです。
エイドリアン・ラインって、こうしてみると結構頑張ってヒット作生み出してたんですよね。


Maniac - by Michael Sembello


『ビバリーヒルズ・コップ』

(原題:Beverly Hills Cop) 1984年

監督:マーティン・ブレスト
出演:エディ・マーフィ、リサ・アイルバッハー、ジャッジ・ラインホルド
幼なじみを殺害された黒人刑事アクセル。彼は上司の反対を押し切って、真相を暴くためロスへやって来る。そして現地の二人組の白人刑事を味方につけ、悪の組織を叩きつぶす……。
allcinemaより)

グレン・フライの「The Heat is on」をはじめ、アルバム自体が大ヒットしましたね。 今回は、軽快なメイン・テーマの方を!

Axel F - Harold Faltermeyer




『カリブの熱い夜』

(原題:Against All Odds)1984年

監督:テイラー・ハックフォード
出演:ジェフ・ブリッジス、レイチェル・ウォード、ジェームズ・ウッズ

1930年~60年代にかけて活躍したジャック・ターナー監督の「過去を逃れて - Out of the Past(1947年)」のリメイク。(最近知りました。)
「愛と青春の旅立ち」「ホワイトナイツ/白夜」のテイラー・ハックフォードがメガホンを取っています。
ひとりの美女を巡って2人の男たちが、死闘をくりひろげる。
ジェフ・ブリッジスがまだ脂ぎっていた…当時は嫌いでした。
作品自体は、少し間延びしてしまった感がありました。スリリングな見せ場はあるのですが、もう少し凝縮してほしかったかな…名優をそろえたんだからさ。
レイチェル・ウォードがそれはそれはお美しい!

この曲は、説明はいらない(と思う...若い人は知らないかも)名曲です。リリー・コリンズのお父様といった説明が分かりやすいですね。
ジェネシスのドラマーだったフィル・コリンズがソロになってヒットを飛ばした中の1曲です。

Against all odds - Phil Collins




『ビジョン・クエスト 青春の賭け』

(原題:Vision Quest)1985年

監督:ハロルド・ベッカー
出演:マシュー・モディーン、リンダ・フィオレンティーノ、マイケル・シューフリング
アマチュア・レスリングのチャンピオンを目指す18才の少年の日々を、年上の女性への恋などを絡めながら綴った青春ドラマ。
allcinemaより)

サウンドトラックには、マドンナの曲が2曲入っています。スタイル・カウンシルの「Shout To The Top」は、スタカンのアルバム「Our Favorite shop」にも収録されています。
ポール・ウェラーがノリに乗っている時期だよね~。

Gambler  - Madonna



Shout To The Top - The Style Council




『ナインハーフ』

(原題:NINE 1/2 WEEKS) 1986年

監督: エイドリアン・ライン
出演:ミッキー・ローク、キム・ベイシンガー

80年代が生み出したヤッピーという人種をミッキー・ロークが演じています。
感想をアップしていますので、詳細はこちらを…

デュラン・デュランのイケメンベーシスト、ジョン・テイラーがサントラに参加。デュラン×2とはひと味違った曲に仕上がっています。

I Do What I Do - John Taylor 




うーん、ジャンル的にみるとかなり偏ったかもしれませんが、懲りずに後編も引き続きアップします。


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Cinema music No.8 80年代の音を聴け!80's映画名曲選 ー 後編

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さて、前編に引き続き後編をお送りします。

『ロストボーイ』

(原題: The Lost Boys) 1987年

監督:ジョエル・シューマカー
出演:ジェイソン・パトリック、コリー・ハイム
        コリー・フェルドマン、キーファー・サザーランド

吸血鬼映画も80年代に入ると様々な変種が作られるようになったが、本作などさながら“ティーン・ヴァンパイアvsティーン・ヴァンパイア・ハンター”といった若者仕様の一編。西海岸の田舎町へ引っ越してきた兄弟が、吸血鬼に詳しい漫画オタクの兄弟と共に、カリフォルニアに潜むヴァンパイアに立ち向かう。R・ドナーが製作総指揮を担当したSFXホラーだが、本作の少しまえに作られた「フライトナイト」に比べると、全然子供向けのチープな作品。同じくドナーが監督した「グーニーズ」の吸血鬼版と考えた方がてっとり早い。
allcinemaより)

なんだか解説では軽んじられているようですが、私は本作は大好きでした。
特に若きキーファー・サザーランド(ジャック・バウアーでおなじみの...)が演じた吸血鬼が魅力的なのと今は亡きコリー・ハイムが可愛かった...コメディ要素満載で本作も好きです。


People Are Strange - Echo & The Bunnymen



もともとドアーズの名曲です。エコバニがカバーして、なかなか味のある曲に仕上がっています。

Cry Little Sister - Gerard McMahon



映画にピッタリです!
チャーリー・セクストンやLAガンズなどたくさんのミュージシャンにカバーされています。

『再会の街/ブライトライツ・ビッグシティ』

(原題:Bright Lights, Big City )1988年

監督:ジェームズ・ブリッジス
出演:マイケル・J・フォックス、キーファー・サザーランド
フィービー・ケイツ、ダイアン・ウィースト

J・マキナニーの原作自体、スノッブすぎて読者を選ぶのに、それをただ真面目に映画にしてはダメだ。マイケル・Jもいつもの軽みを捨て、シリアスに励んでいるが、子供が背伸びしてわざわざ大人の苦労を抱え込んでるのを見て誰が喜ぶ? テキーラとコカインに溺れる神経衰弱のニューヨーカーたちを皮肉るまでもなく、これも一つの青春-と提示するに留まる映画に誰が金を払う? ラスト、一敗地に塗れて覚醒してゆくマイケル・JがさまようN.Y.の“限りなく透明に近い”青の夜明けばかりが美しい。
( allcinemaより)

なかなか手厳しい感想ですね。確かにそうでした。それでも筆者はJ.マキナニーの原作が大好きだし、この作品も嫌いになれない。
偶然にも先に紹介した「ロストボーイ」 に出演していたキーファー・サザーランドとダイアン・ウィーストが本作にも出演しています。
マイケル.J.フォックスが、奥さまのトレイシー・ポランと出会い結婚するきっかけになった作品でもあります。

CENTURY'S END - Donald Fagen



スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンがグループ解散後出した初のソロアルバム「ナイトフライ」(名盤!)に収録されています。

DIVINE EMOTION - Narada



ナーラダ・マイケル・ウォールデンは、フュージョン系のバンド(バンド名は忘れました、後で調べます...)のドラマーです。
バンドよりプロデューサーでの活躍の方で有名でした。
80年代はアレッサ・フランクリンの「フリーウェイ・オブ・ラブ」(カッコいい曲!)や故 ホイットニー・ヒューストンのデビューアルバムをプロデュースで、いい仕事していました。
プリンスの「グッド・ラブ」もここで紹介したかったのですが、動画がないので...残念です。

『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角 』

(Pretty in Pink)1986年

監督:ハワード・ドイッチ
出演:モリー・リングウォルド、アンドリュー・マッカーシー 、
ジョン・クライヤー

母親のいない家庭で父ジャックとつましい生活を送っている女子高生アンディ。彼女は、アルバイト先の客で同じ高校に通うブレーンに恋していた。そんなある 日、アンディはなんとブレーンの方からデートを申し込まれる。その一方、アンディに恋心を抱く同級生のダッキーは心配で落ち着かない。
allcinemaより)

モリーちゃん、そばかす赤毛でかわいい。80年代に青春映画で大活躍のアンドリュー・マッカーシーも出ております。

OMD - If You Leave



80'sヒットに必ず入っているといってもいいくらいの代表曲です。今聞いてもキュンとします。

The Smiths  - Please, Please, Please, Let Me Get What I Want



ドリーム・アカデミーがカバーしていたバージョンも好きです。

『ダーティ・ダンシング』

(原題:Dirty Dancing)1987年

監督:エミール・アルドリーノ
出演: パトリック・スウェイジ    ジェニファー・グレイ
        シンシア・ローズ    ジェリー・オーバック
60年代を舞台に、一家で避暑地を訪れた17歳の少女が経験する恋を激しくセクシーなダンスをエッセンスに描いた青春ラブ・ストーリー。60年代のヒット 曲を14曲挿入、アカデミー主題歌賞に輝いた。主演は「若き勇者たち」のパトリック・スウェイジ。監督はダンス演出家で83年“He Makes Me Feel Like Dancin”でアカデミー・ドキュメンタリー賞に輝いたエミール・アルドリーノ。好評につき、TVシリーズも作られた(本邦未放映)。
allcinemaより)

映画もさることながら、サウンドトラックも次々とヒットをとばしました。気をよくして2枚目のサントラも発売されていました...ね(記憶では)。
オールディーズ中心で、私は個人的に旧いのは好きではなかったのでこの2曲を紹介することにしました。「ハングリー・アイズ」も入れたかったですが...
パトリック・スウェイジ の曲は、彼が自ら作詞して歌っています。「(500)日のサマー」でもちらっと流れていました。単調なメロディですが、ジーンと沁みます。
彼が亡くなっているから、余計ですね。

She's Like The Wind - Patrick Swayze



Time of my Life



『カクテル』

(原題:Cocktail) 1988年

監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:トム・クルーズ、ブライアン・ブラウン
    エリザベス・シュー、ケリー・リンチ

兵役あがりのブライアンは一攫千金を夢見てニューヨークに降り立つが、就職活動は難航し、ふとしたきっかけでバーテンダーのアルバイトを始める。オーナーのダグラスとコンビを組み、派手なバーテティングで評判を呼んで快調な滑り出しをみせるが、やがて二人は仲違いし、別々の人生を歩んでいく。
wikiより)
本作のキャッチコピーは「この男のいるところ、いつも喝采…」だそうですが、それは現在のトム・クルーズのことじゃないでしょうか? まさにトムの活躍を予言しているようです。

The Beach Boys - Kokomo 



カクテルといえばビーチボーイズのこれです!

John Cougar Mellencamp - Rave On



ジョン・クーガーの曲は、概ね土臭いカントリーソングばかりであまり好きな部類ではなかったのですが、「Rave on」については気に入っていたました...

ロビー・ネヴィルの「Since When」も...と考えましたが、前編にたくさん紹介したような曲と同じ部類なので、やめました。一発屋でしたが、1986年の1stアルバムは大ヒットしました。
彼の音楽には、ちょっとR&Bの要素も入っていましたので好みでした。

『シー・オブ・ラブ』

(原題:Sea of Love) 1989年

監督:ハロルド・ベッカー
出演:アル・パチーノ エレン・バーキン ジョン・グッドマン
ニューヨークで連続殺人が発生。被害者は全員男性で、全裸のまま殺されている。そして現場には必ず“シー・オブ・ラブ”のレコードが……。妻と別れたばかりの刑事は、被害者がやっていたように、新聞の恋人募集の広告を出し、犯人への手掛かりを捜す。やがて一人の女が容疑者として浮かび上がるが、刑事はその女と恋に落ちてしまう……。パチーノとE・バーキンの顔合わせによる、アダルト感覚のサスペンス・スリラー。全米TV放映時には、ロレイン・ブラッコ演ずる前妻のエピソードが加えられた。
allcinemaより)

結構まったりとした展開だった気がします。(ずっと見ていないのですっかり忘れています)アル・パチーノの同僚役でジョン・グッドマンが出ておりました。
本作で使われるのがクラシックなフィル・フィリップスの曲(1959)。
私が敢えてここで紹介させていただくのは、1984年ザ・ハニードリッパーズの方になります。ロバート・プラントの気だるげな歌いっぷりがGOODです。

しっかりアルバムも購入しておりまして(写真)、針がすり減るほどヘビロテしてました。ツェッペリンのメンバーにナイル・ロジャースってメンツがスゴいですね。今、見ても...


Sea of Love - Robert Plant's The Honeydrippers



嗚呼、レコード聴きたい!

『恋人たちの予感』

(When Harry Met Sally...) 1989年

監督:ロブ・ライナー
出演:ビリー・クリスタル メグ・ライアン  キャリー・フィッシャー
初対面で最悪の印象を互いに持った二人が、“男女の間に友情は成立するか”という命題に苦悩しつつ、11年の後に結ばれるコメディ・タッチのラブ・ストーリー。散文詩的な作りの中で魅力をフルに発揮した主演二人(特にM・ライアンはポスト・ゴールディ・ホーンとでも言うべきキュートさ)とNYの色々な顔を美しく捉えたバリー・ソネンフェルドの撮影が素晴らしい。
allcinemaより)

今の季節に観賞するのがいいですね、この作品…この時期に自然とDVDを見ていたりします。
秋のNYをこの作品と「オータム・イン・ニューヨーク」で満喫して下さい!
私の中では、「恋人たちの予感」でのメグ・ライアンとビリー・クリスタルが永遠に彼らの姿です。

It Had To Be You   - Harry Connick, Jr. 



ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、アニタ・オデイなどなど著名なシンガーに歌い継がれているクラシカルナンバーです。
映画「メンフィス・ベル」や「コピーキャット」で俳優としても活躍するジャズシンガー、ハリー・コニックJr.が歌っています。


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『エスター(2009)』

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昨日、とある掲示板にオンラインストリーミングサービスについて書き込んでいるうちに、どんなものなのか気になってNetflixのサイトを覗いているうちに、勢いで登録してしまいました。
Huluと同じパターンです。
予想より内容が充実しているかな…。
まぁ、一番喜んだのはうちの息子ですね。早速、見まくっています。アニメ漬けです!

私が昨日、初視聴した映画が『エスター(原題:Orphan 2009年)』です。
以前から見たいと思っていましたが、主人が昔見たらしく
「うーん、たいしたことねぇよ」

と言っていたのですが、主人が好むのは「ほん呪」とか「ファイナルデッド…」シリーズなので、「たいしたことない」の意味合いが、自分が期待している意味での回答ではないと今ごろ気付き、視聴に至ったのです。

ストーリー
3人目の子どもを死産で失った夫婦が、孤児院から女の子を引き取り育てることになります。エスターと名乗る9歳の女の子。
大人びた言動で、服装はちょっと時代遅れのワンピース。首と手首にはなぜか、布の飾りを巻いていて外す事がありません。
最初は、分別ある行動をとっていたエスターは、学校で騒ぎを起こしたり滑り台から女の子を突き落としたと言われるなど…次第に、言動が変化して行きます。

キャスト
ケイト・コールマン  - ヴェラ・ファーミガ
ジョン・コールマン  - ピーター・サースガード
ダニエル・コールマン  - ジミー・ベネット
マックス・コールマン  - アリアーナ・エンジニア
エスター  - イザベル・ファーマン

スタッフ・作品情報
監督ジャウム・コレット=セラ
脚本:デヴィッド・レスリー・ジョンソン
製作:ジョエル・シルバー スーザン・ダウニー
    ジェニファー・デイヴィソン・キローラン
    レオナルド・ディカプリオ
音楽:ジョン・オットマン
撮影:ジェフ・カッター
配給:ワーナー・ブラザーズ
公開アメリカ 2009年7月24日 日本 2009年10月10日
原題: Orphan


監督 ジャウム・コレット=セラさんは、リーアム・ニーソンの一連の作品の監督さんらしいです。スペインの方ですね。
制作にロバート・ダウニーJr.の奥さま スーザン・ダウニーとレオナルド・ディカプリオが名前を連ねています。

なかなか、面白い映画でした。
「オーメン2」などで使われた伝統的ともいえる演出…氷、雪の中での殺戮などなどやカメラワークで見ていてあきませんでした。
ただ、殺戮・残虐シーンは見ていることができず、顔を背けていました。
ジョンが(ピーター・サースガード)見ていて、イライラしてしまった、あまりにも鈍感で…奥さん(ヴェラ・ファーミガ)がアル中だったことがまだ引っかかっているからなのか。
「オーメン2」のダミアンがそうしたように、エスターにしもべにされているのかと思ってしまいましたが、そうではない…。そこにも、しっかり落とし所があったのです。
てっきり、頭に666のアザがあるのかと思っていたらそうではなく...冗談 !!「えぇ!まさかっ!!」の、オチでゾッとしてギョっとしました。
(手首に巻いた布と、歯医者が嫌いな原因がそう繋がったと…)


父母役の、2人もいい演技を見せてくれておりますが、ここでは特に子役がすばらしいです!
コールマン家の聾唖(ろうあ)の娘と主役エスターを演じる女の子が、際立っていました。
セリフまわしだけでなく、目と表情での演技が半端ないです。
エスターを演じたイザベル・ファーマンは、容貌もオーメン2のダミアン役 ジョナサン・スコット・テイラーを彷彿とさせました。



たまに、こういう作品もいいですね。
しょっちゅうは、みられません。(心臓によろしくない!! )




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80’s Music Myオススメ曲ベスト

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以前、2回にわたって当ブログで80年代の映画音楽について特集しました。
それで調子ずいちゃって映画音楽以外でもやっちゃおうかなぁなんて思い立ったわけです。
70年代のロックの愛聴者などに、“クズ音楽”と完全に吐き捨てられてしまうレベルの音。 チープな音づくりに、フェイクな香りがする…けど今聞くと、なぜかそこがいいみたい。
 一発屋もかなりいましたが、「名曲だぜ!」って言える曲がたくさんあります。 だからこそ、映画にも使われたりするのではないかしら?!
でも、映画で使われたから「あの曲最高!」とか今頃騒がれるのとか、複雑だったりするのが本音で...
私、昔っから、この音カセットとかテープで聞いてきたのよ...ま、いっか。
そんな80’sの香りが濃い曲を紹介してみます。

 ■ Wang Chung - Everybody Have Fun Tonight(1986) 

ジャック・ヒューズ(ボーカル ギター)とニック・フェルドマン(ベース キーボード)のデュオ。 4thアルバム『モザイク』でようやくブレイクしたと思ったら、それで尽きてしまった伝説の2人組。




 ■ Double - The Captain Of Her Heart (1986) 

カート・マルー(ギター・ボーカル)とフェリックス・ハウグ(ドラム・キーボード)のスイス出身のデュオ。 1985に発表されたアルバム「Blue」の中の1曲です。ランディ・クロフォードなどにカバーされましたが、やはり気だるげに歌う元うたがいいと思います。 シンプルなピアノがメロディアスでいい!




 ■ Falco - Rock Me Amadeus(1985) 

オーストリア ウィーン出身のファルコ。 1984年の映画「アマデウス」とは何の関係もない...関係があるとすればモーツァルトもウィーン出身! ...ですが、映画が大ヒットしたので便乗かなと思えるフシもあります。
 いずれにしても、今聞いても当時初めて聴いた時の印象が薄れない…ということは名曲なのだろうな。
 1998年に交通事故で他界していたことは後から知りました。




 ■ The Cars - Drive(1984) 

おっと…こちらは一発屋ではないです!
ボストン出身の4人組のバンド。リック・オケイセクの独特なボーカルスタイルが特徴でもあります。
最大のヒット・アルバム「ハートビート・シティ(1984)」は、収録曲すべて名曲といえるクオリティです。 ここで紹介する曲は、ボーカルがリックではなく、旧メンバーのベース担当 ベンジャミン・オールのスロー・チューン。

 

 ■ T'pau - Heart And Soul (1987) 

イギリスのバンドT'pau(トゥパウと読みます)のヒット曲。 こちらは、一発屋...かな。
今はボーカルのキャロル・デッカーとロニー・ロジャースの2人体勢で活動しているようです。




 ■ Mike & The Mechanics - All I Need Is A Miracle(1986) 

ジェネシスのベース マイク・ラザフォードが結成したグループがマイク・アンド・ザ・メカニックス(…今現在も活動を続けているようです)。
1stアルバム「Mike & The Mechanics」収録の1曲です。
本ビデオの前振りが長いのですが…




 ■ Philip Bailey, Phil Collins - Easy Lover(1984) 

ジェネシスが出れば、これも紹介したいですね〜 この曲は1984年に発売されたフィリップ・ベイリーの名盤「チャイニーズ・ウォール」に収録。
(フィリップ・ベイリーは、いわずとしれたE.Wind&Fireのメンバー。ついでにフィル・コリンズは女優リリー・コリンズのお父様です。)



■ Tears For Fears - Sowing The Seeds Of Love(1989)

TFFといえば「Songs from The Big Chair(1985)」が名盤とされている故、このアルバムの曲は比較的知れ渡っているのです、「Shout」や「Everybody Wants to Rule the World」「Head over Heels」…
なので、1989年発表のアルバム「The Seeds of Love 」から選曲にしました。
大ヒットした「Songs from The Big Chair」から、4年のインターバルを経て発売されたアルバムは、TFFの解散の報せも発売後すぐだっただけに衝撃的でありました。
名曲揃いの本アルバムです、選曲に困りますね。
「Advice for the Young at Heart」と「Badman's Song」も大好きです。
ボーカルのオリータ・アダムスの声が素晴らしい!




Happy Birthday!ミア・ワシコウスカ&『奇跡の2000マイル』見ました。

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先週 10月14日はミア・ワシコウスカの26歳のお誕生日でした。
遅ればせながら、ミアちゃんお誕生日おめでとう!パチパチパチ…
私、何を隠そうミア・ワシコウスカのファンであります。
少し前から、ちゃっかりTwitterアイコンもミアちゃんのお写真を使用させてもらっています。
いつからだろう…
「キッズ・オールライト(2010)」かな「イノセント・ガーデン(2013)」で決定的になって「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013)」で、ミアのファンを名乗ることを心に決め(手前味噌ですが。)、「マップ・トゥ・ザ・スターズ(2014)」でこの人って、ほんとただものじゃないわ!! と...そういう流れで今に至ります。
いつも感じるのは彼女の演技は、キャラクターの内面をしっかり洞察した上でのアクティング(演技)だということ。
それと、自分を魅力的にみせるピッタリな役をしっかりチョイスしているところに感心しますね…これだけ書くだけでもかなり力が入っちゃってどうしようもないです。
それと、意識的なのか過去に共演したことがある俳優さんとお仕事することが多いですね。
ジュリアン・ムーア、ジェシカ・チャスティン、トム・ヒドルストン(「クリムゾン・ピーク」ギレルモ・デル・トロ監督作品 2015年公開だったはずですが、いつからですかぁ?誰か教えて!)などなど...




さて、少し前になりますがミアさまが主演の『奇跡の2000マイル』を劇場にて観賞してまいりました。
全米では昨年の今頃公開された作品らしいです。

ストーリー
ロビン・デヴィッドソンという女性が主人公。1977年、ロビンは一匹の犬と4頭のラクダを連れ、アリススプリングスからインド洋に向けてオーストラリアの砂漠地帯を踏破する旅にでる。その距離、なんと2700km(1700マイル)。
ロビンが書いた『Tracks』という本を元にした作品…実話です。

キャスト
    ミア・ワシコウスカ - ロビン・デヴィッドソン
    アダム・ドライバー - リック・スモラン
    ロリー・ミントゥマ - ミスター・エディー
    ブレンダン・マクリーン - ピーター
    ライナー・ボック - カート
    ジェシカ・トヴェイ - ジェニー
    エマ・ブース - マーグ

スタッフ・作品情報
監督:    ジョン・カラン
脚本:    マリオン・ネルソン
原作:    ロビン・デヴィッドソン『Tracks』
製作:    イアン・キャニング エミール・シャーマン
音楽:    ガース・スティーヴンソン
撮影:    マンディ・ウォーカー
編集:    アレクサンドル・デ・フランチェスキ
製作会社:    シーソー・フィルムズ
配給:    トランスミッション・フィルムズ(アメリカ)
ブロードメディア・スタジオ(日本)
公開:    2014年9月19日(アメリカ)
日本公開:2015年7月18日
製作国:    オーストラリア
原題:    Tracks



オーストラリア・メルボルン出身で「ニュースの天才」「オーストラリア」などの撮影を担当しました、マンディ・ウォーカーがいい仕事をしております。
オーストラリアの大自然と旅する主人公たちを選ばれた人間に与えられた視点で捉えます。
砂埃で肌の色もベージュになっている主人公とラクダは砂漠の保護色と化して、愛犬ディギディだけ黒い点のように見える光景が、叙情感あふれる物悲さを纏って迫ってくるのです。
映像的に、なんとなしにイギリス映画「美しき冒険旅行(WALKABOUT)」(1971)の影響が見え隠れします。

彼女が旅に出た理由

ひとは、今の状況から逃げ出したい時、ふと「どこかに行きたい」という気持ちになったりします。「現実逃避」ですね。
ロビンが大胆な砂漠を歩いて横断する旅を思い立ったのも、そんな理由があったと思います。
彼女は、常に心のどこかに“渇き”がありました。

人間がわずらわしい
自分の居場所がない
母親を自殺に追い込み、家族を苦難においやった父親を越えてみせる

そんな想いが、日々ロビンをうずかせていました。
彼女の父親は、事業に失敗した後、ロビンを自分の兄弟のもとに養子に出し、「愛犬だけでも連れて行きたい」という幼かった彼女の願いすら聞き入れずにペットの年老いたレトリバーを安楽死させてしまいます。
安楽死せざるを得ない状況でも、幼い子どもには事実をそのまま言うべきではないのに...否が応でも、トラウマが残りますよね、幼い子どもにとっては。

なぜラクダを連れて歩くのか?

バイトをしながら、お金をためて旅の準備をする周到さに感心しました、が...そのお金で旅に連れて行くラクダを買う?! しかも、ラクダの調教まで習う??
「えぇぇ?! ひとりの方が身軽じゃない?」って、一瞬考えてしまいましたね。
しかし、ストーリーが進むに連れてだんだん彼女の判断が間違っていないことが分かってきました。
ラクダを連れて行く分、荷物がたくさん持ち運べる(十分な食料も持てる)のです。荷物を背負わない分、足への負荷も少なくなります。
同じロードムービー作品「イントゥ・ザ・ワイルド」よりも、しっかり現実を見ていることが感じられました。
さらに彼女が堅実(ちゃっかりしているともいう)なのは、「ナショナル・ジオグラフィック」といった有名どころのスポンサーにアピールして資金面の援助を受けたところ...ただし、旅の数回にわたってカメラマンに写真を撮らせるという面倒なおまけつきではありました。
幼い頃安楽死させられた愛犬の生まれ変わりともいえる、黒いレトリバー犬のディギディも一緒です。

人間嫌いなロビンに変化が...

旅が進むにつれ、ウザったかった人間が恋しくなって、これまた邪魔くさかったカメラマンのリック(アダム・ドライバー)とエッチすることになったり。そうなると男はやたらとすり寄ってくるから面倒にもなるのだけれども。
アボリジニの案内人にも救われ、旅先で出会ってやさしく迎え入れてくれる人々もいて
「やっぱ、人間ってどこかで誰かに救われている、生かされているんだな」
と気付いていくロビン。
(ただ、観光客に出会うと「キャメル・レディ!」と騒がれながら写真をバチバチ撮られるのには辟易していましたけれど)


ラストに待ち受ける何か

苦難や過酷な事態を乗り越えて、無事に旅を終えたロビン。
(本作は実話で、すでに彼女が旅を成功させていることは周知の通りですのでネタばれにはならないでしょう。)
ラスト近辺の唯一無二のカメラワークで、カタルシスの境地が一気にやってきて『奇跡の2000マイル』という邦題がますます陳腐に感じられるほどでした。
“境地”とか“天国”、“楽園”を思わせる映像で、一気に涙が溢れました。
現実逃避にも見えたけれど、結局は自分の居場所を見つける旅になった...「生きるための居場所は、自分で決める」ことに気付き、心を不自由にしていたものを解き放つことになったのです。
やはり、人生を俯瞰して見るとその時しかできないことがあって、自分で思いついた時にやるべきなんだなって思います。本作の旅などは20代、30代しかできないものですから。

映画って、ストーリーに頼るものではないと思います。
よく「ストーリーが陳腐で入りこめなかった」とかの感想を目にしますが、それなら本だけ読んでいれば十分じゃない?映画の本来の仕事は、映像が起こす感動だと沁々と感しました。

女性なら常日頃脇毛の処理をしますが旅先ではそれもままならず、ミアさまの脇には毛が見え隠れしていたし、脚の毛もモヤモヤとしていたのが、リアル感をだしていました。
DVDが出たら、必ず買います!
ミア・ワシコウスカの鼻梁をくしゃくしゃっとする笑顔がいいなぁ...ほんと、かわいい!!
本作のような直球のキャラクターを演じてもすばらしいね、ミアさま。



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『ジョン・ウィック』観てきました!

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 今年に入った頃から騒がれていた「ジョン・ウィック」。
もっと早くに見ておきたかったのですが、我慢して我慢して…ようやく本日劇場で見て参りました。
なぜか、老年の夫婦に挟まれてみることになったのですが、音楽もガンガン鳴ってて、激しいアクションシーンで成っている作品だとわかっていたのか疑問が過りました。




ストーリー
殺し屋を引退し幸せをつかみかけていたジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は、不幸にも妻に先立たれてしまう。
妻が亡くなった数日後ジョンを心配した妻から一匹の犬が届けられる。
ジョンになついてくる愛犬とともに平穏に暮らしていたのもつかのま、たまたまスタンドで彼の車を気に入ったロシアン・マフィアのボス(ミカエル・ニュークヴィスト)の息子に愛車を奪われ、愛犬を殺されてしまう。
ジョンは大切なものたちを奪った相手に復讐することを心に誓い、再び殺し屋にの道に戻ることになる。

キャスト
ジョン・ウィック −    キアヌ・リーヴス
マーカス - ウィレム・デフォー
ウィンストン - イアン・マクシェーン
ヴィゴ・タラソフ - ミカエル・ニュークヴィスト
ヨセフ・タラソフ - アルフィー・アレン
アヴィ - ディーン・ウィンタース
ミズ・パーキンス - エイドリアンヌ・パリッキ
ヘレン - ブリジット・モイナハン
ホテルマネージャー - ランス・レディック
オーレリオ - ジョン・レグイザモ

スタッフ・作品情報
監督:     チャド・スタエルスキ
アクション監督:     ダリン・プレスコット
脚本:     デレク・コルスタッド
製作総指揮:     ケビン・フレイクス 、 スティーブン・ハメル
製作:     デヴィッド・リーチ 、 ベイジル・イワンイク 、
エヴァ・ロンゴリア
撮影:     ジョナサン・セラ
音楽:     タイラー・ベイツ
編集:     エリザベート・ロナルズ
公開:     2014年10月24日(アメリカ) 2015年10月16日(日本)
製作国:     アメリカ合衆国
原題:     John Wick
公式サイト:    http://johnwick.jp/


愛犬デイジーが殺されてしまうシーンで、見ている私まですっかり悲しみに打ち拉がれて、お話が進んでもしきりに「一緒にベッドに寝たいよ」と訴えるわんこの上目遣いのかわいい表情が浮かんでは消え、思い出してまたじわぁっときて。
殺し屋を演じていても、常に“いい人”に見えてしまうキアヌ。決して役を演じきれていないワケじゃないんですよ。
私の脳には“キアヌ=いい人”ということがインプットされてしまっているのです、多分。


ガン・フーと呼ばれる特有の戦闘シーンがド迫力もの、映像とバックに流れるサウンドはスタイリッシュです。反して、主人公がひとりで敵に立ち向かっていくというプロセスが起因してか、オーソドックスな敵討ちがテーマのせいか、日本の時代劇を思い起こしたりもしました。
一方、なぜか作品全体にバーチャル感が漂っている…ゲームとかコミック本の中を覗いている気分にもなってくるのです。
おそらく、前半あたりでジョン宅でマフィアと派手にドンパチやったあとに警官がやってきて
「ずいぶん賑やかだったけど?!」(警官)
「ああ。ワケあって久々にやっちまったさ。もしかして近所からの通報か?」(ジョン)
「そう思った。ま、気をつけなよ…じゃ、オレ帰るから。」(警官)

お、おい!それだけかよ?(わたくし、愕然としちゃいましたぁ)
とか
ジョンの家とかホテルで派手な戦闘があった後、後片付けをする掃除屋さんがいて、チップみたいなコインを渡して
「じゃ、たのむぜ」
「あいよ〜」
って感じのノリがあったりね。
そんなところが、マンガチックだったりするのでしょう。
そうそう、タランティーノ作品の殺戮シーンと同じです。

赤と青のあのシーンが特によかったよね〜! 敵を殺していくところのシルエットが映るところ!!
しかしながら、私個人的には、戦闘シーンよりもカーアクションのほうが実は好きだったりするのです。
本作は、車も重要なファクターですものね。

ラストがこれまた良かった、スカーッとしました。
見た後、気分がよくなる映画です。
ウィレム・デフォーやジョン・レグイザモの脇役陣もいい味出してましたよ。
ウィレム・デフォーは、「イングリッシュ・ペイシェント」での敵なのか味方なのか?ってなり拷問で痛い目をみるような、カラヴァッジョっぽいキャラクターでした。

しかし、マフィアの息子もさぁ、お金持ちなんだから車くらい自分で探して買えよ!っていいたいわ!!


音楽映画ベスト10

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Twitterで「音楽映画ベストテン」を受付しているツィートを目にして、「面白いな」って単純に共感したので速攻記事にしました。

【関連記事】男の魂に火をつけろ! <音楽映画ベストテン受付中>

音楽映画ベスト10


1. パープル・レイン(1985年 /監督:アルバート・マグノーリ)
2. ザ・コミットメンツ(1991年 /監督:アラン・パーカー)
3. スクール・オブ・ロック(2003年 /監督:リチャード・リンクレイター)
4. アマデウス(1984年 /監督:ミロス・フォアマン)
5. あの頃ペニーレインと(2000年 /監督:キャメロン・クロウ)
6. FRANK(2014年 /監督:レニー・アブラハムソン)
7. インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
  (2013年 /監督:ジョエル・コーエン イーサン・コーエン)
8. シド・アンド・ナンシー(1986年 /監督:アレックス・コックス)
9. デトロイト・ロック・シティ(1999年 /監督:アダム・リフキン)
10. ハードロック・ハイジャック(1994年 /監督:マイケル・レーマン)

1位 「パープル・レイン」
 映画の出来から考えれば、「パープル・レイン」はありえませんがプリンスファンとしては、彼の自伝的映画と言われているだけにどうしても1位にせざるを得ない気持ちになりました。

2位「ザ・コミットメンツ」。ひと言、名作です。
この作品の登場人物は商業として音楽をしているのではなく自分たちの「存在価値」を音楽で昇華しているんですね。
バンドをやっている方(やっていた方)は、特に共感できると思います。

3位「スクール・オブ・ロック」は、名匠リンクレイターの音楽好きをあらためて感じいる作品です。子どもの使い方もこころ憎い。ツェッペリンの「移民の歌」のシーン最高!

4位アマデウスは、何度見ても大作です。栄光をつかんだモーツァルトと影の存在であるサリエリのそれぞれの“恐れ”が描かれています。

5位「あの頃ペニーレインと」はいわずもがな…でして、以前に書いたブログ記事を参考にして頂ければと思います。
繰り返しますが、音楽ライターだった監督の音楽の使い方は最高です。

6位は、「Frank」につきましては、なぜか当ブログで感想を書きのがしている状況ですが、感動したのには相違ございません。愛おしくなる1本です。イギリス・アイルランド合作映画という共通点を越えて2位の「ザ・コミットメンツ」と空気感が似てるかなと感じます。

7位「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」は、以前ブログで記事にしました。フィクションでありながら、偉大なミュージシャンが登場する前夜的な作品。

8位、「シド・アンド・ナンシー」初めてみて最後に切なくなり、しばらく放心していました。ゲイリー・オールドマンの異端さを目にした最初の作品でした。

9位「デトロイト・ロック・シティ」は、ハチャメチャです…が、見終えるとティーンエイジャーの通過儀礼のお話で…爽快感を残します。

10位「ハードロック・ハイジャック」も「デトロイト・ロック・シティ」に然り、90年代のハチャメチャ感がよい!
なかずとばずの貧乏ロックバンドがラジオ局に自分達のレコードを持っていっただけなのに乗っ取り犯と勘違いされてごちゃごちゃ状態。
バンドメンバーのブレンダン・フレイザー、スティーヴ・ブシェミ、アダム・サンドラーが若くてかっこいい。

次点では、「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」なども面白かったかな。

最後に...
結局、あれほど騒がれた(騒いだ?!)「セッション」は、見ましたが好みではありませんでした。


Sweet Sixteen(2002) − 悲惨ではない、けれど心が苦しくなる

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ストーリー
15歳の少年リアムは、親友ピンボールと学校にも行かず好き勝手な毎日を送っていた。そんなリアムには夢があった。それは一つ屋根の下で家族揃って幸せに暮らすこと。しかし、現在母ジーンはヤクの売人である恋人スタンのせいで服役中で、出所はリアムの16歳の誕生日前日。シングルマザーの姉シャンテルは母を嫌い、離れて生活していた。そんなある日、湖畔で理想的なコテージを目にしたリアムは、自分の夢を実現させようとその家の購入を決意する。カネのないリアムは、仕方なくピンボールとともにスタンからヤクを盗んで、それを売り捌くのだったが…。
allcinemaより)

キャスト
マーティン・コムストン:リアム
ウィリアム・ルアン:ピンボール
ゲイリー・マコーマック:スタン
ミッシェル・クルター:ジーン
アンマリー・フルトン:シャンテル
ミッシェル・アバークロンビー:スーザン

スタッフ・映画情報
監督:    ケン・ローチ
脚本:    ポール・ラヴァーティ
製作:    レベッカ・オブライエン
音楽:    ジョージ・フェントン
撮影:    バリー・アクロイド
編集:    ジョナサン・モリス
配給: シネカノン(日本)
公開: 2002年5月21日(フランス CIFF)
    2002年10月4日(イギリス)
    2002年12月28日(日本)
製作国:イギリス ドイツ スペイン
原題:Sweet Sixteen

バカ親と利発な息子

親のこころ子しらずとよくいいます。
この映画の親子は、まったく逆。
愛人とつるんでドラッグを売ったりしては捕まっている愚かな母 ジーンを必死に愛する息子 リアム。
同じ間違いを繰り返しながら生きている母親に、やがて姉 シャンテルは愛想を尽かし離れて行く。
それでも、リアムは母親を見捨てない。
「かあさんは、人間的に弱いだけだ」と冷たく見放す姉から母親をかばい続ける。
母が出所する日を心待ちにしている…その日はリアムの誕生日の前日。
本作に出てくる母親は、本当に愚か者でバカとしかいいようがない。
バカ親のために、悪に手を染めて行く息子が可哀想であるし、気高くさえある。



心がヒリヒリ…

無邪気で子どもっぽい部分も残す、家族を再生するために知恵と無謀すぎる勇気をもって生きているリアム。
母親の愛人と実の祖父に虐待ともいえる仕打ちを受けても、負けずにやり返す。
まだ、15歳の少年に重すぎる荷物を背負わせたのは母親だ。
映画のDVDジャケットに
“心がヒリヒリしている”
と書いてある。
まさに、その通り。
映画をみながら、こちらまで心がヒリヒリしてしまった…というか、親のバカさ加減にイライラしてしまう。

類のないカメラワーク

映像がいい!カメラワークの恩恵
街が、海の色が寒々としている。
あちこち逆光で白潰れしているけれど、そんな瑣末なことなんか構うものか…というか却って私は惹かれました。映像から必死さや生きていくことの苦しさが溢れている。
フィルムで撮ってるのがわかるね、どうでもいいことかも知れないけれど。

ラストシーンが素晴らしい。
見る側にその先を委ねる終わり方…
干潟を歩くリアム。母親の呪縛から解き放たれたその表情を見て、彼の将来が見えてくる。
ケン・ローチ、さすがだ!
どう想像するか?私は、ここではいわないでおくことにします。


今の日本の貧困や親子像も見えてくる

その日の暮らしもままならないような労働者階級の子どもたち。
我が子より愛人しか見えなくなっている母親と親を助けようとする息子…この構図は最近の日本を見ているような気がしてならない。
日本もこれに近い貧困状況に近づいているのではないだろうか。

本作の母親は見ていて嘆かわしい感情しかわかないし、同情の余地なし。
子どものやさしさに甘え、ついにはその気持ちを踏みにじる。
愛する母親に裏切られた日は、リアムの16歳の誕生日。
利発でがむしゃらで類いまれな勇気と信念を持つリアムだから、世の中を生き延びることができている。
本作を見終えた時、今現在の日本で時々目にする子どもが親の犠牲になるニュースを想わずにいられないだろう。
大人が身につまされる映画。悲惨だけれど決して絶望的に暗くは描いていない...傑作だと思う。



“土星の一日は10時間しかないんだ”
というセリフが妙に余韻を残す。



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キングスマン − 終始ワクワク感もなく...凡庸に。

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新年あけましておめでとうございます。
ここのところ、映画をみても感想が書けないという悪循環に陥っていまして…冬場に入って編み物に時間を取られてしまうということもあるのですが。
予告編を劇場で見た時、「絶対みたい!」とワクワクしましたが、諸事情があり結局観に行くことは叶いませんでした。
数ヶ月してDVD化され、先日レンタルして見ました。

キャスト
コリン・ファース − ハリー・ハート/ガラハッド
マイケル・ケイン - アーサー
タロン・エガートン - ゲイリー・“エグジー”・アンウィン
マーク・ストロング - マーリン
ソフィア・ブテラ - ガゼル
サミュエル・L・ジャクソン - リッチモンド・ヴァレンタイン
マーク・ハミル - アーノルド教授

スタッフ・作品情報
監督:     マシュー・ヴォーン
脚本:     ジェーン・ゴールドマン  マシュー・ヴォーン
原作:     マーク・ミラー  デイヴ・ギボンズ
『キングスマン:ザ・シークレット・サービス』
製作:     マシュー・ヴォーン  デヴィッド・リード
アダム・ボーリング
音楽 :    ヘンリー・ジャックマン  マシュー・マージェソン
撮影:     ジョージ・リッチモンド
編集:     エディ・ハミルトン  ジョン・ハリス
配給:     20世紀フォックス(イギリス)
KADOKAWA(日本)
公開:      2015年1月29日(イギリス)
2015年9月11日(日本)
原題:Kingsman: The Secret Service
しかし、う...うーん…なんか違う!?ちっともワクワクしない!!
なんだか期待していたほど、おもろない!!!
コリン・ファースのキャラはいいけれど、みんなが興奮したというあのシーンも今までの映画ですでに見慣れ、見飽きたものであったので、特に何の感動もなく。
一番物足りなかったのは、80’sの耳馴染みのいい曲を使いながらそれが使いきれていないところ。
「センスがいい!」とはいえなかった…残念。
こういう娯楽作品は、映像&音楽ありきなのに。。。
もっと音楽をピタっとはめ込んできてほしかったのです。
同じマシュー・ヴォーン監督作品の「キック・アス - Kick-Ass (2010年)」は、その点素晴らしかった…笑い、アクション、音楽…映画を見た後にスカッとする、しっかりと余韻を残す…全て満たしていました。
「キングスマン」は、全体的にテンポがいいのか悪いのかわからない。
X-MEN: ファースト・ジェネレーションについては、ダンナさま息子ともに面白いと言っていました…私は残念ながらX-MENシリーズは、家族が見ているのに乗っかってところどころしか見ていません。
(筒井康隆の「七瀬ふたたび」の登場人物みたいだなぁ…X-MENは60年代の作品だから筒井先生が影響を受けたのかな。)

新年に入ってから観賞した作品では、今のところ最下位です。
残念ながらまったくワクワクがなかった、揺さぶられませんでした。
犬がかわいかったくらいかな…あはは。
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トレジャーハンター・クミコ(2014)

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コーエン兄弟の『ファーゴ』絡みの映画だときいていたので、ずっと見たかった念願かなってようやく見ました。
残念ながら、まだDVD化はされていないようです。
昨年9月にWOWOWで初放映されております。

ストーリー
東京でOLをしている29歳の独身女性クミコは楽しくない仕事も、結婚を急かす母親も苦手だった。そんなクミコは、フィクションなのに「本作は実話に基づく」と冒頭にテロップが出る映画「ファーゴ」をVHSビデオで繰り返し見ては、スティーヴ・ブシェミ演じるカールが大金入りブリーフケースを埋めた地点を想像する。会社のクレジットカードを預かったクミコはそれで旅費を調達し、「ファーゴ」の舞台ファーゴに向かうが……。 
WOWOWより)


キャスト
クミコ:     菊地凛子
サカガミ:     勝部演之
カナザキ:     河北麻友子
ミチ:     東加奈子
老女:     シャーリー・ヴェナード

スタッフ
監督・脚本:     デヴィッド・ゼルナー
脚本 :    ネイサン・ゼルナー
撮影:     ショーン・ポーター
音楽:     ジ・オクトパス・プロジェクト
原題:     Kumiko, the Treasure Hunter

日本という国はいつからこんなに住みづらくなってしまったのだろう。
この映画を見ていると日本の未来を憂わずにはいられなくなる。
毛色が違う人種を見る目の冷たさ、30歳過ぎて独身でいる女性への偏見…
人種差別は欧米ほどないだろう。
しかしながらある年齢を過ぎた女性への偏見はピカイチだ、日本という国は。
クミコの孤独感が痛いほど伝わってくる。
クミコが勤める会社の社長、OL仲間、学校の同級生、母親までもがクミコにとっては敵だ。
海外映画のわりには、日本の描かれ方が妙にリアルだ。

コーエン兄弟の『ファーゴ』は、れっきとしたフィクション作品だ。
映画の冒頭で
“これは実話の映画である”
とこれみよがしに出てくるところがくせものだ。
それを信じて会社のクレジットカードでアメリカに渡ってしまうOLクミコの物語も、“実話ではない”ところが面白いのかもしれない。
確かにノースダコタのファーゴの近郊で、日本女性 コニシタカコさんが凍死していた事実は存在する。
しかし、映画『ファーゴ』でスティーヴ・ブシェミが隠したお金を探していたのではないというのが本当のところだ。

本作において、クミコは本気でブシェミが隠したスーツケースがあると信じていたのか?
私はそうではないと思えて仕方がないのだ。
では、何のためにすべてを捨ててまでファーゴを目指したのか?
日本を飛び出すための理由が必要だったのではないか。
日本へは、二度と戻らないという覚悟の上での行動だったと思えるのだ。



アメリカに渡ってからのクミコが、日本で暮らしていた時と一変。かなりアクティブに変化していく。
面倒見のいい警官に(演じていたのは本作の監督デヴィッド・ゼルナー!)ジャケットと靴を買ってもらい、靴ひもまでしめて貰うシーンがいい。
日本では、優しくしてもらったことがなかったクミコは何を勘違いしたのか、警官にキスしてしまうのだ。

旅をしている間に、彼女はすっかり目的であるファーゴに取り憑かれてしまったように見える。
警官に「そもそも『ファーゴ』はフィクションなんだ」と言われて激しく傷つくクミコの辛さが胸に迫る。
反面、ラストの爽快感はなんだろう…日本を飛び出した時、置き去りにしてきたウサギのブンゾーと再び出会えたのも救いなのかもしれない。。。
クミコがずっと着ていたパーカーの色が、『ファーゴ』の雪景色の中のうつぶせの死体の着ていた赤だった。かなり視覚に訴えてきました。

救いのない日常を捨て旅に出て、引き返せないところにきてしまった主人公。
なんとなしに『テルマ&ルイーズ(Thelma and Louise −1991-)』を思い出してしまった。
菊地凛子、いいね!Good Job!!

わたしに会うまでの1600キロ(2014)

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ダラス・バイヤーズクラブ(Dallas Buyers Club 2013)』のジャン=マルク・ヴァレ監督作品です。
命がある限り人としてどう生きるか?
「わたしに会うまでの1600キロ」も前作同様、監督が描く“生(生きること)のスピリット”が感じられました。


キャスト
    リース・ウィザースプーン/シェリル・ストレイド
    ローラ・ダーン/ボビー
    トーマス・サドスキー/ポール
    ミキール・ハースマン/ジョナサン
    ギャビー・ホフマン/エイミー
    キーン・マクレー/リーフ
    ケビン・ランキン/グレッグ
    W・アール・ブラウン/フランク

スタッフ・作品情報
監督:
    ジャン=マルク・バレ
製作:
    リース・ウィザースプーン
    ブルーナ・パパンドレア
製作総指揮:
    バーゲン・スワンソン
    ネイサン・ロス
    ニック・ホーンビィ
原作:
    シェリル・ストレイド
脚本:
    ニック・ホーンビィ
撮影:
    イブ・ベランジェ
編集     マーティン・ペンサ
ジャン=マルク・ヴァレ

製作会社:    
フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
パシフィック・スタンダード
リバー・ロード・エンターテインメント
原題:     Wild
製作年:     2014年
製作国:     アメリカ
配給:     20世紀フォックス映画

他の映画レビューサイトなどを見てみると

主人公に感情移入できない
話の焦点が定まっていない

などの感想があって、「そういう映画じゃないんだけどなぁ…」って反論したくなりました。
しかしながら、よく考えれば映画の見方ってその人の経験値や生き方、価値観が反映されるもの。
自分が感動したことに、すべての人が同じ気持ちになること自体が間違いなのだろう。
とにもかくにも、私としては、ヘタすると「ダラス・バイヤーズクラブ」よりも好きな映画になったかもしれない。
「ダラス…」のほうが、人間の捉え方がもっと淡々としていた気がします。

テンポがいい映画とはいえません。
山などを歩いているときの、人の頭の中を捉えているようなものです。
回想、自然、人との出会い…そして回想
母親と弟との生活、元気だった母。
子どもたちに惜しみない愛を贈る母親ボビーを演じたローラ・ダーンの演技、ステキでした。


原作はシェリル・ストレイドの『Wild:From lost to found on the Pacific Crest Trail』というノンフィクション。
本作を見て感じるのは、「自分探し」のための旅ではないということ。
過去を反芻しながら「イヤな自分、ダメだった自分」を「歩くこと・過酷な場所に身を置くこと」で浄化する、大好きな母親に捧げる“Dedicate to my mom”の旅を描いている。
PCTを歩いている間、母親の姿がシェリルの周りを去来する、木の影に…あるときは優しげな眼差しを向けるキツネとなって。
母親が歩んできた棘(いばら)のような人生を、ハードな旅をしながら追体験しているようだ。

彼女(シェリル)の精神世界を描いている作品なので、驚くような展開はないに等しい。
地味な映画ではあるが、観る前と後での人生観を変える力を持つ一本だ。
平凡な日々の大切さ、人は命ある限り生きねばならないことを実感させられる。

母親が口ずさむ、サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んでいく」が耳に残る。
少し話はそれてしまうけれど…
改めて歌詞を読んでみると、コンドルは出てこないし、なんだか不可思議な世界だと思う。

カタツムリよりすずめになりたい
釘よりもハンマーがいい
道よりも森になりたい


ふーん、俯瞰できる高い立ち位置がいいのかな…って思えば、「大地を感じていたい」とくる。
結局は、人間が一番いいということなのか。

母親の死を受け入れられないで、何年かドラッグなど路頭に迷う主人公の様子はジェイ・マキナニーの「ブライトライツ・ビッグシティ」を思い出してしまった。

最後に...
軽々しく聞こえる邦題をなんとかしてほしい!



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アントン・イェルチンとの出会い。

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長い年月を生きていると他の国のキリスト教徒のようにただひたむきに神を信じたい時がある。
神を信じるためには、「神が人々に為すことは絶対正しいものでなければならない」と考えていた時期があった。
神を信じる者は、時として“神”の存在に疑念を抱くこともあるのだろうか。
疑念を募らせながらも、信じることは続けるのだろうか。

テレンス・マリックの『ツリー・オブ・ライフ(2011)』では
「災いは善なるものにも訪れる」
とヨブ記を引用している。
ああ、神さまは善人にも心ない死を与え賜うのか!それならば...善人も悪人も同じ扱いなら、どう生きてもいいじゃないか!
そんな稚拙な思考に走りはするが、どうやらとりあえずの倫理観は中途ハンパに備わっているようだ。
この年齢になっても尚、人の死を受け入れられない時がある。
いくつもの死を経験していながらも、一定の時間を経ても人の死と折り合いをつけられない自分がいる。
「なぜ、あんなに素晴らしい人がこんな不可解な死を迎えなければならないのか?」
ちょうど二ヶ月前に、こんな想いに押しつぶされそうになる事件があった。
今、それを乗り越えたかといえば、乗り越える為に大きな岩に必死にしがみついている状態なのかもしれない。
少々前置きが長すぎました...

昨日、再び心ない神に裏切られたという気持ちにさせられる事件が起きた。
若い魂が悲惨な事故で奪われてしまった…アントン・イェルチン、27歳。
事件の詳細を改めて記すことは避けたい、逝ってしまった事実だけを粛然と受け止めるだけにとどめたい。


私が、彼 アントン・イェルチンと出会った映画は『アトランティスのこころ(Hearts in Atlantis 2001)』だ。
クリンクリンのパーマがかかった(多分、天然だと思う)髪、キラキラしたグリーンの瞳に風邪の治りかかりの時のような鼻声...その声には年齢以上の力があった。
小学校高学年頃に一時プクプクと太りだす時期が子どもにはあるものだが、アントンもその作品では健康そうにプックリとしていた。


演技もさることながら、彼の存在だけで少年時代特有の輝きが作品に満ちていた。
それぞれの少年少女時代の夏の日々を呼び起こす作品、「あの頃」の映画だ。
原作は、スティーブン・キング。
『スタンド・バイ・ミー』は同世代の少年たちの友情にスポットをあてた名作だが、本作は不思議な力をもつ老人テッド(アンソニー・ホプキンス)と、母子家庭に育つボビー(イェルチン)とのひと夏の出来事と二人の友情を描いている。
イェルチンの演技から、利発で感受性が鋭く洞察力が備わった子どもで、自分が母親から十分な愛情を受けていないのに擦れていないところは、ボビーが11歳という年齢以上に大人であろうことが伺える。
子どもたちの輝きと対をなすのが、大人たちのイヤな部分だ。特にボビーの母親がその典型だ。
いつも子どもに嘘をつき、お金がないのは「父親がお金を残さなかった、賭け事で負けてばかりいた」と言い訳がましく繰り返す、残業だセミナーだと言い訳して男達と肉欲に耽る。
(いいわけばかりしながら子どもに嘘をつく大人は、 私の周囲にもいたような気がする。)
ノスタルジーのみにとどまらず、自分が今大人である現実に向き合わされ子どもにどう接しているかを考えさせられる、手厳さもある作品だ。



テッド役のアンソニー・ホプキンスは、初めてアントンと向き合ったときのことをこう振り返っている。


トム・ソーヤを思い出したね…
性格もよさそうだったし、彼の本読みには舌を巻いた
ほどよい自信が満ちていて、ただただ素晴らしかった
子役としてだけではなく、アントンはきっと役者として残るだろう
彼はとても物知りで、好奇心が強いんだ
「ハムレット」を深く知りたがっていたね…どん欲とも言えるほどだった
母親ができるかぎり、良質な教育を受けさせたらしい
彼も音楽や文学に関しては、相当努力している
ギターも上手で、音楽的な才能も感じた
(『アトランティスのこころ』特典映像より)

「子役としてだけではなく、役者として残る」
…響く言葉だ。
そして
今だからこそ、胸が締め付けられる。

アントンはどことなく“子犬”のような人なつっこさを備えていて、それが魅力だった。
何よりも彼の表情には邪心が見えない、一点の曇りも感じられない。
演じてきたキャラクターも、そういう役回りが多かった。
彼が天に召されてしまったことをまだ信じたくない...40歳くらいになった彼の演技を私は見たかった。
ネットのゴシップ記事などから出来るだけ遠ざかり、彼の演じてきた作品を見直したいと考えている。

近頃、アメリカで公開された『Green Room(2016)』は、日本で公開されるのだろうか?


オデッセイ(2015)

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やっと見ました、『オデッセイ』。
息子がめずらしく「見たい!」って言うし、私自身も以前何かのDVDを見る時に、たまたま予告にそそられていたのでした。

ストーリー
宇宙飛行士のマーク・ワトニーは火星への有人探査計画であるアレス3に、クルーとして参加する。火星での探査任務中、大砂嵐に襲われたマークらクルーは、全ミッションを放棄して火星からの退避を決めてロケットへ向かうが、その最中に折れたアンテナがマークに直撃する。クルーたちはマークが死んだと判断して火星上の軌道へ戻り、さらに地球上の軌道へ帰還するためのヘルメス号に乗って出発してしまう。
ところが、マークは生存しており、火星に一人取り残されてしまったことを知り、残されたわずかな物資を使って生き延びようとする。しかし、地球から救助隊がすぐに来る見込みはない。マークは持ち前の植物学者としての知識を活かし、前ミッションから残留保存されていた資材を材料に水、空気、電気を確保すると、さらに火星の土とクルーの排泄物をもとに耕作用の土を用意し、ジャガイモの栽培に成功する。
Wikipedia

スタッフ・作品情報
監督:     リドリー・スコット
脚本:     ドリュー・ゴダード
原作:     アンディ・ウィアー『火星の人(英語版)』(ハヤカワ文庫SF)
製作:     サイモン・キンバーグ
リドリー・スコット
マイケル・シェイファー
マーク・ハッファム
アディタヤ・スード
音楽:     ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影:     ダリウス・ウォルスキー
編集:     ピエトロ・スカリア
製作会社:     スコット・フリー・プロダクションズ
配給:     20世紀フォックス
公開:     アメリカ / 2015年10月2日
日本/ 2016年2月5日
上映時間:     141分
製作国:     アメリカ合衆国
原題 :    The Martian

キャスト
マット・デイモン
ジェシカ・チャステイン
クリステン・ウィグ
マイケル・ペーニャ
ショーン・ビーン
ケイト・マーラ
セバスチャン・スタン
アクセル・ヘニー
キウェテル・イジョフォー




“イモ”に助けられたワトニーさん

すでに本作を見たみなさんが評されているように、宇宙版 「キャスト・アウェイ(2000年 トム・ハンクス主演)』という感じではあります。
『キャスト・アウェイ』は地球上のどこかの島で、本作は火星という途方もなく遠い場所に置いてきぼりにされてしまうというどちらも切ないストーリー。
しかしながら、『キャスト・アウェイ』ほど悲哀が漂っているわけではなく、お気楽感満載です。
マット・デイモン演じるワトニーのポジティブ思考、そして一般人よりも知識があるがゆえの安心感なのかもしれません。
本作に「サバイバル映画」を期待してみる人にとっては、いささか物足りなさを残すことになるでしょう。

    ・ 極限状態でポジティブ思考を貫き通し、最大限の知能を駆使したワトニーさんのとてつもない行動力
    アレス3のクルーたちとワトニーの友情
    といった部分が見どころかな。



    とにかく、ひとりぼっちの状態で生き延びねばならない。そのためには、ここにあるものを有効活用して何かをしなくちゃならないわけであります。
    ワトニーは、次々とやってのけてしまうのです。
    やがて地球との交信手段を見つけだすことにも成功します。それは、絶望の縁をさまよっていた状態から脱することを意味します。
    この原動力は、ひとえに“イモ”の恩恵かなとも思いました。イモはワトニーに生きるための養分、そして自信を与えてくれました。(安直ではあります。)

    Mr.ボーンこと(勝手に命名してます^^;)マット・デイモンの演技もさることながら、脇を固める俳優陣もよいです。
    特にジェシカ・チャスティンが相変わらず慈愛に満ちたいい演技を見せていました。
    (アゴ割れに目がいってしまいましたが…)
    それと、『キャプテン・アメリカ』のバッキー・バーンズ役でおなじみのセバスチャン・スタンも相変わらずステキ💜
    同じくクルー役で、ルーニー・マーラの姉のケイト・マーラも登場回数は少ないながら、輝いていました。(美貌とオーラは妹に負けています^^; )
    余談になりますが
    ワトニーが食料が不足してガリガリに痩せるシーンがありましたが、あれはマット・デイモンじゃないな…多分。
    全裸の後ろ姿しか映ってなかったけどね。
    顔がゲッソリ痩せこけヒゲをはやした面持ちは、ちょっぴりジャック・ニコルソンっぽかった。

    作品のムードを決める音楽

    そして...音楽もよかった♪
    この作品がジメッとしたものにならなかったのには音楽の効能が大きかったと思います。
    ストーリーでは、ジェシカ・チャスティン演じるし指揮官が残して行った“マイ・ベスト”テープを仕方なしにワトニーが聴くという設定です。
    おなじみの、なつかしのディスコソング満載!

    ドナ・サマーの「Hot Stuff」
    セルマ・ヒューストン「Don’t Leave Me This Way」
    デヴィッド・ボウイ「Starman」
    O’Jaysの「Love Train」

    などなど...
    自分的には、「Don't leave me this way」はコミュナーズのが好きなんですけれどね♪
    原題は、The Martian(火星の人)で邦題が「オデッセイ」と小洒落たタイトルになっていますが、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」からですよね。

    さて
    先日『ジェイソン・ボーン』で緊急来日を果たしたマットの髪型に少しショックを受けております...

    正面からは見えませんが、後ろは長髪をお団子にしています!

    ダンナさまがボーン・シリーズのファンなわりには、実は自分が一本も見ていないのでありまして💧
    ここいらで意を決して、まとめて観ようと計画しております!

    家族で楽しく観るのにもってこいの作品ですね〜♪


    ゴスペル コンサート

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    先日、知人から
    「文化センターが別な場所に移転するから、最後のコンサートをやるので聴きにきませんか?」
    とのお誘いを受けてチケットを購入させていただきました。
    単独で少し寂しいですが、出かけてまいりました。

    チケットを改めて眺めていると
    “ありがとう 文化センター”
    の文字が目に入りました。
    コンサートの幕が上がって、歌の前のMCで
    「ABoo Singersが結成されたのは、2000年」
    とのお話がありました、ということは結成から16年目です。
    私の息子が生まれたのは、2001年。
    息子が、この世に生を受ける前から続いているのか。
    などなど、ABoo Singersと自分自身の“あの頃”を重ね合わせたりしながらしんみりしてしまいました。

    曲目は、
    Amazing Grace
    上を向いて歩こう

    などおなじみの曲、オリジナルソングも入って16曲。
    現メンバーと、旧メンバーもそろい2時間半のにぎやかなショーでした。
    歌いながら、さまざまな思い出も過ったことでしょう。
    MCの時に、知人のブログが紹介されていたりして彼の嬉しそうな表情がこちらからも伺い知ることが出来ました。




    私個人の感想。
    ・1人、プロじゃないかと見紛うほどの女性ボーカルいた!!
    ・ギターの方のカッティングが上手い!
    ・キーボード、パーカッションもなかなか!!

    ここのところ、自分自身沈んでいたこともあって心が洗われた気がしましたね。
    “歌う”という行為は、聴く人もそうですが歌う側も浄化されると思います。
    メンバーの方の表情を見て、それがよく伝わってきました。

    ABooシンガーズの今後のますますのご活躍を楽しみにしています。
    ....と
    久々に、日記など綴ってみました!

    スーサイド・スクワッド

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    公開前から見る予定に入れていた『スーサイド・スクワッド』、ようやく観てまいりました。
    映画の内容は、おそらく各映画サイトなどで知られていることでしょう。
    観ていて漠然と思ったのは、マーベルにしてもDCコミックスにしろ、映画化すると皆同じにしか見えないということ。
    当然ストーリーよりも、戦闘シーンや爆破シーンがメインになります。
    キャプテン・アメリカやアベンジャーズは家族が好きなこともあって観るのですが、どれもやっていることは同じで改めて身を乗り出してみるシーンはほとんどないです、残念なことに。
    今回も各ヴィランの紹介場面が大半をしめていて、おまけにこの手の作品は1シーンの情報量がハンパない。
    あわせてVFXシーンも冗長で、まるで時代劇の中の長過ぎる剣劇のようなのです。
    ジャレッド・レトのジョーカーも目新しいようで、結局背後にヒース・レジャーの演技が見え隠れしている気もしたし。
    唯一、画面で追えていたのはハーレイ・クインのおちゃめキャラでしょうか...マーゴット・ロビーの表情&体演がよかったです。



    via GIPHY


    どれもこれも同じなので、今後これらの作品においてはコミカルさなどのスパイスを加えて、もうひと捻りしつつ差別化を図っていくようになるでしょうね。

    うーん…マーベルやDCコミックスものについては劇場に行くのはこれが最後か?!
    この手の映画では、VFXについてはすべてやりつくしちゃったんじゃないかな…ほんと。
    そうはいっても、まぁ、DCよりはマーベルが好きかな。
    個人的には、勧善懲悪を描いている作品を見るなら、日本の時代劇のほうが合ってるのかもしれませんわ(チャンバラ部分は短くね…💦)


    映画に関する情報は、公式サイトでどうぞ。
    スーサイド・スクワッド公式サイト

    受験の季節を前に想う

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    めずらしく私の身の回りのちょっとした出来事を綴っています。

    来年、とうとううちの息子にも「受験」という節目がやってきます。
    (受験が節目と考えるのも人それぞれとは思いますが。)
    私どもが居住している田舎では、都会のように「塾に通わせて、かならずあの高校に進んで大学は○○大に!」といった家庭は少ないようです。
    事実、塾に通わせている生徒はおそらくクラスの半分以下でしょう。
    少し離れた市内の中学にいくと、状況はまったく違ってきます。
    たまに夕方近くの時間帯に市の図書館にいくと、市内の中学生がロビーのテーブルを陣取って勉強している姿が見られます。
    そのたびに、息子と息子が通う中学の子どもたちのまったりさ加減に「これで大丈夫なんだろうか?」と考えることになります。

    自分自身の話になりますが、高校は進学校(女子校)を受験しました。
    「何をやりたい」
    「将来は○○の職業につきたい」
    という夢や希望などはまったくなく、通っていた中学ではみんながそこを受験するから自分も流れに乗じた次第です。
    入学してからが、ことのほか困難を極めました。
    もともと勉強が嫌いで努力などしたこともなく、ろくに受験勉強もせずに受験した人間です。
    高校の1日の授業時間が半端なく長い...とにかく教科書が分厚いし、授業はどんどん進んで行く。
    そんな状況で、付いて行けているのは国語と英語、歴史くらいでした。
    それ以外は赤点もめずらしくなく、数学などは毎日必ず黒板の前に立たされて終わるテイタラク。
    (先生も私が宿題もやってこないのに友だちの解いた答えを丸写しにしているのを知っていたのでしょうね^^;)
    夏休みは、数学の補習に通うように命ぜられました。



    あっという間に2年生になり、仲良く一緒に電車通学していたお友達は、看護事務を目指して“専門学校・短大コース”のクラスに進みました。
    もちろん、私は就職を目指すクラス。
    募集している会社を受けて「うかれば就職、うからなければ次」とお気楽なもので、完全に人生ナメてかかっていました。
    3年間何をしていたかといえば、好きな音楽を聴き図書館で本を読み、友達とワイワイやり...結局ただそれだけだった気がします。
    勉強はしなかったけれど、本を山ほど読んだことは唯一の救いといえるかもしれません。
    日本文学、フランス文学、そしてアメリカの現代文学と流れていきました。
    音楽は、小学校高学年から洋楽を聴きビートルズや70年代のロックやポップスからブラックミュージックへと流れていきました。そしてプリンスと運命の出会いがあったわけです。

    生きて行く上で大切なことは聴いてきた音楽の歌詞や本から教わりました。それと映画ですね。
    親は何も教えてくれませんし、親の背中を見て育ったのではありません。
    ある企業に就職する際の面接のときに趣味を訊かれ、なぜか「夏目漱石のどこが好きなのか?」を夢中で語ってしまったことさえ今としてはよい思い出ですね。

    息子が志望校に受かっても、自分と同じ流れになるような気がしています。
    私の時代は、努力しなくても「運良く」という言葉が転がっていましたが、今は「運」はあちこちに落ちているわけではありません。
    学生時代に、早くから目標を決めなければ後々苦労する姿が目に見えています。
    親として「どう向き合うべきか、感情的にならずにするにはどうすればいいか」毎日毎日悩んで考え続けるばかりです。

    呪文のように「あの参考書の○○やれ!」と言い、部屋が静まっていると2階に様子を見に行って「何寝てんだよ!高校行く気あるのか?」と繰り返す毎日。
    ほんと、これでいいのかな。
    学校が楽しいのはいいことなのですが、息子本人がぼーっとしているところにほとほと参っています。

    何者

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    息子のご要望にお応えして見て参りました、「何者」。
    出演者が
        佐藤健
        有村架純
        二階堂ふみ
        菅田将暉
        岡田将生
        山田孝之
    とやたら豪華なので、例によって集めるだけ集めて中身がない作品になっているのではないかという、イヤな予感は否めませんでした。
    しかしながら、原作 朝井リョウということなので面白い群像劇に仕上がっているのかなという期待もほんのちょっぴり。
    「まぁ、菅田将暉くんでも愛でに行くかぁ」
    ってノリででかけました。
    あらすじ
    御山大学演劇サークルで脚本を書き、人を分析するのが得意な拓人(佐藤健)。何も考えていないように見えて、着実に内定に近づいていく光太郎(菅田将暉)。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せる実直な瑞月(有村架純)。「意識高い系」だが、なかなか結果が出ない理香(二階堂ふみ)。就活はしないと宣言し、就活は決められたルールに乗るだけだと言いながら、焦りを隠せない隆良(岡田将生)。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた22歳の大学生5人は、理香の部屋を「就活対策本部」として定期的に集まる。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺などのさまざまなツールを駆使して就活に臨み、それぞれの思いや悩みをSNSに吐き出しながら就活に励む。SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識が、それぞれの抱く思いを複雑に交錯し、人間関係は徐々に変化していく。やがて内定をもらった「裏切り者」が現れたとき、これまで抑えられていた妬みや本音が露になり、ようやく彼らは自分を見つめ直す。
    WIKI

    一見、就職という最終目的地にむかって協力し合う若者たちの青春ドラマかと思いきや、実は妬みや他者を客観的に眺めて嗤うようなドロドロした負の感情がSNSというツールを駆使して渦巻いている世界。
    常に身の回りの出来事をツイッターでつぶやいている若者たち...
    これって、現実の世界でも珍しくない光景なんじゃないか?そう思えてきます。
    同じゴールに向かい一致団結して5人のワイワイやってる楽しげなシークエンスは、若干冗長にも見えるかもしれませんが、徐々にその笑顔の裏に何か不穏な影が見えてきます。
    特に、拓人(佐藤健)がやたらとスマホを放せない状況は、みんなに親切にアドバイスしてるのってもしかしたら...って心配になってきます。

    「学生時代に打ち込んでいた演劇を続けたい。でも、周りが就活をのり切っていい企業に就職して行く中でその生き方はカッコ悪過ぎるだろう。
    そんなカッコ悪いことオレにはできない!」
    これが拓人の本音だと思う。
    拓人が同じ演劇サークルで活動していた銀次をLINEやツイッターを使ってやたらと蔑んでいるのは、拓人が理想としながらもできないことをやっているからだろう。

    で、お目当ての菅田将暉くんですが...
    まさに「そこのみにて光輝く」で演じた拓児のようなイヌっぽいキャラ。
    バンド活動をしていたけれど敢てそれをやめにして、拓人に就活のノウハウを伝授されながら邁進する毎日。
    「助かったわ、ありがとなぁ〜!」なんて無邪気にいつもキャハキャハしているが「そこのみにて...」の中で見せたように、“見ているところはちゃんと見ているぞぉ〜”という鋭い側面もある。
    相変わらず、いい演技を見せてくれました!

    「拓人と里香 (二階堂ふみ)に何かが起こるぞ」という空気が常に流れていたので、より不穏さを感じさせています。
    ところが、ラストでは里香だけじゃなくて他の登場人物を巻き込んで怒涛のごとく拓人を中心としたドワ〜ッがやってきます。
    まるで「レクイエム・フォー・ドリーム」のラストのようでした(汗)
    映画自体が拓人を中心に据えた舞台をみるような作り方がなされています。
    「何者」というタイトルが非常に面白いですが、最初は「お前いったい何者なんだよ!」って拓人に向けられているのかと思えば、“就活をしている人々=まだ何者でもない”とも取れます。
    はたまた、SNSにたむろして目立つかっこいいツィートをしたい“何者”のこととも受け取れたりもします。

    ラストが秀逸で、音楽が例の中田ヤスタカさんの音楽であるせいか、エンドロールが終わるまで誰も立ち上がりませんでした。(少し驚き !!)
    就活を経験したことがない私も自然に泣いていました。
    原作は、近いうちに読んでみたいですね。
    朝井リョウさんの本はまだ一冊も読んだことがないのですが(たぶん)、群像劇が得意なのかも。もしかしたら、学生時代に舞台の脚本など書いていたのかな。

    生きることに「かっこいい」も「かっこわるい」もない、自分の行きたい方向にがむしゃらに進んでいくことに、極上のストーリーがある。

    なーんちゃってね。

    いい作品(モノ)見させて頂きました、息子に感謝!
    と思いながらも 「見たい、見たい」と騒いでいた息子が、劇場を出た後に「意味わかんなかった」って言っていたのがショックでした。
    ラストの音楽だけノリにのって聴いておりました^^;
    帰りの車の中で何を言おうとしているのかを、おおまかに説明しておきました。

    帰り際に、劇場のトイレで20〜30代くらいの女子が

    「私、ツイッターのメアドで検索するヤツ、オフにしとこ!」
    「え? そんな機能あったの ?!」

    っていう会話が面白かったです。







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    デスノート Light up the NEW world

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    10月30日なので、結構経ちますが『デスノート Light up the NEW world (2016) 』観てきました。
    ダンナさまも息子も別な映画を見たので、寂しく一人での観賞となりました。
    (どういうわけか、息子とダンナは作品も見てないのに安室奈美恵の「Fighter」のCDを買ってきて聴いてるんですよね〜。)

    6冊にふえたデスノート争奪戦、そして新生キラを探すお話です。
    舞台は再び謎の突然死が頻発しはじめた現在。
    デスノート対策本部特別チームの捜査官 三島(東出昌大)、キラ信奉者 紫苑優輝(菅田将暉)そしてLの後継者 竜崎(池松壮亮)がデスノート争奪を繰り広げて行きます。
    注目は、やはり「新生キラは一体だれなのか?!」です。


    10年前、一家で夢中になって繰り返し見ていたデスノート。
    DVDのコンプリートセットまで購入したのですが、それに付いていたデスノートを当時5歳の息子が取り出して遊ぼうとするのでとうとう見つからない場所に隠し、隠しっぱなしになっておりました。
    つまり約10年間封印しており、ずっと見ていなかったのでお話もうろ覚えでデスノートのルールなども忘れていました。


    おっと話がそれました、先に映画の感想を言わせてもらえば、スリルがあって“新生キラ”がわかった時に驚愕してのけ反りましたね。それほど意外な人物でした。
    ネットやツイッターでのみなさんの感想を眺めていると
    「出演者がバカばっかり…」
    「デスノートが6冊になる意味あんの??」
    「前のような頭脳戦がぜんぜんなくて面白くない」

    といったものが大多数でした。

    うーん…頭脳戦って、10年前の前作にもそんなにいうほどの頭脳戦ってありましたっけ?
    たとえば
    「うちでポテチのコンソメを食べるのは俺だけなんだよ」
    バスジャックのところ
    電車の中でのレイ・イワマツ(細川茂樹)と夜神月との取引き
    イワマツの婚約者(瀬戸朝香)との美術館でのシーン


    など?
    …そういわれてみれば結構あったか(汗)

    しかしながら、前作だって最初から絶賛されていたわけではないんですよね。
    「原作の方が断然おもしろいわ!」という声は少なからずあがるはずなんです。
    今作の『デスノート Light up the NEW world』は、ストーリーは完全オリジナルで登場人物も全員入れ替わっています。
    (正確には、弥海砂も登場している。夜神月はキラウィルスとしてPC上に現れるし、Lも回想シーンで登場。)
    新しいものが最初は受け入れられない、前作と同じく反発からの評価なのかもしれません。

    問題はデスノートが6冊に増えたためデスノートを手にする登場人物もその分増えるわけで、時間内に一人一人の人物描写が入りきれなくなってきます。
    人物が掘り下げきれずにペラペラ(説明不足)になってしまうという欠点は否めません。
    時間の制約がなければ、青井さくら(川栄李奈)やロシアの医師、御厨賢一(船越英一郎)をもっと面白く動かしたいところ。
    「デスノートが6冊になる意味は??」の答えについては、劇中リュークがちゃんと説明していますから、納得していただくしかないですね。
    先に述べた感想で「新生キラにのけぞった」と表現しましたが、唐突な展開に驚いたのも事実であります。
    やはり時間不足で御都合主義の流れになってしまうんですよね。

    およそ10年ぶりにみるので、デスノートのルールが出てくると「あぁ、こんなのもあったな」なんて思い起こしたりしました。
    そのルールの中に、
    “死神がデスノートに人間の名前を書くとその死神は死んでしまう”
    というものがあるのですが、前作『デスノート the Last name』で、レムが弥海砂を助けるためにデスノートにストーカーADの名前を書いた時、死ななかったのは納得できない部分です。
    (参考:DEATH NOTEのルールリンクはDEATH NOTEサイトに飛びます)

    前作も、脚本が完璧だったわけではないと思います。
    結構、「穴でしょ?」という部分もありました。
    これを言ってしまえば終りかもしれないけれど、月が警視庁のデータベースにアクセスしていた時点で、普通アクセス元を特定できるでしょ〜って思うし...
    バスジャックの部分も然り。

    お話が交錯してごちゃごちゃになっていますが、話を元にもどして...
    相変わらず菅田将暉くんを愛でて満足して帰ってきました。
    全身白の衣装に、ヘアスタイルが80年代のポール・ウェラーみたいで素敵でした〜。
    やっぱ鼻がツーンと高くて芸術です、彼のあの顔立ち!
    「俺たちに明日はない」のラストを思わせる、あのシーン(ババババ〜ッ...ってなるシーン、見なきゃわからないですね)もなんか菅田将暉っぽくてカッコよいね !

    池松壮亮の竜崎もワケありキャラで、実は『L change the WorLd』に関わってくる人物。
    やっぱり、竜崎が一番超人かな 。
    今回Huluで三島(東出昌大)、紫苑優輝(菅田将暉)、竜崎(池松壮亮)の前日譚が放映されていますが、それを見てから劇場にいかないと内容がより薄っぺらくなってしまう難点もあります。
    できれば見てから劇場に出かけて欲しいですね。(Huluの回し者みたいですが、一切関係ありません。)

    敢て細かいことをいわせてもらえば、冒頭の渋谷のあのシーン。
    エキストラの動かし方がイマイチで、違和感が出ちゃってて残念賞です!
    大事なシーンなのに…
    「ハリウッドで修行してきて!で賞」ですな。

    おそらく、あの終わり方だと続編は作られるでしょうね。

    今週末の「菅田将暉を愛でる劇場巡り」は、『溺れるナイフ』です(笑)




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    シング・ストリート 未来へのうた

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    とにかく、とにかく(しつこい^^; )泣かせる映画です。
    “泣かせる”とひと言で言っても、さまざまありますが、『シング・ストリート』に出てくる登場人物は、あの時代の私であり、80年代に青春まっただ中だった人たち!
    もう、悶絶します。
    面白かった!
    80年代に青春を過ごした世代にはたまりません。
    思い当たるフシがありすぎて死ぬかと思いました。
    こんな映画でデートしたい!
    (映像ディレクター 大根仁)
    TSUTAYA CLUB magazineより

    岡村ちゃん(岡村靖幸)も、“キュンキュンする青春がたまりません。”
    なんていってましたが、まったく同じでございます。


    初ビデオ撮影。完全にニューロマンティック路線

    主人公コナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)が兄弟や両親とリビングに集って当時の音楽番組を見ながらワイワイやるシーン。
    MTVやベストヒットUSAの時間になるとテレビの前に陣取って食い入るように見ていた頃を思い出してしまう。
    まだ、MVなどが世の中に広まったばかりの時代―――バンドがヒラヒラの衣装でメイクをしてパフォーマンスしていた、あの時代。
    まさにデュラン・デュランやスパンダー・バレエ、ヒューマン・リーグ、ABC…ニューロマンティックとかつて呼ばれていたバンドが大活躍していました。
    今の時代に、あのMVを見ると「うわっ!何このダサいの!! 」なんて言われるかもしれないけれど、当時見ていた私たちは、「ジョン・テイラー、最高だわぁ~」なんて胸ときめかせてました。
    ヘアスタイルなんかも髪の上の方を盛り上げて、真似したりしてましたよ…恥ずかしいけど^^;
    ブリティッシュに夢中になってる途中で’84年プリンスに出会って、彼の音楽中心になっていったんですけどね。

    映画の話からすっかりそれてしまいました。『シング・ストリート』に話は戻って。
    ストーリーよし、音楽よし、特に演出が冴えてると思います。
    音楽の使い方が素晴らしいんですよね。
    リチャード・リンクレイターなんかも音楽の入れ方が上手な監督さんなんですが、カーニー監督はそれを越えるかも。

    驚いたのがシング・ストリート名義の楽曲のプロデュースは、あの『Mary’s Prayer』で知られる(以前記事にしました)ダニー・ウィルソンのメンバー、ゲイリー・クラークだそうなんです!
    うわぁ、曲の雰囲気とか歌詞でキュンっとなりましたが「なるほどぉ~」って感じです。
    できれば、ラストも彼の楽曲にして欲しかった…。

    エコバニのイアン・マッカロクっぽくなってるコナーくん! 音楽もネオアコっぽい路線へ


    ストーリー
    ケンカが絶えない不仲な両親の間で、それぞれの悩みを抱えながら生活しているコナーとその兄弟たち。
    兄のブレンダン(ジャック・レイナー)は、大学を中退し、夢をかなえるためにドイツに渡りたかったところを親に引き止められて引きこもり生活に。
    姉のアン(ケリー・ソーントン)は、大学で建築を学んでいるが本意ではないらしい。
    父(エイダン・ギレン)は職がなく、母親(マリア・ドイル・ケネディ)は週三日の仕事に出ている。
    このギリギリの状態で生活費を切り詰めるために、コナーを学費のかからないカトリックの学校 シング・ストリート高校に通わせることになる。
    学校はいかにも育ちの悪い生徒ばかりの上、校長は決められた色の靴を履いてこないコナーを裸足にさせたりのスパルタ式。
    不幸な毎日を送るコナーは、モデルをしているという謎めいた女の子 ラフィーナ(ルーシー・ボイントン)と出会う。
    バンドをしている自分たちのMV(ミュージックビデオ)に出ないか?と誘いをかけるコナー。
    ….もちろん、バンド活動などしたこともないというのに。
    出演OKの返事をもらったコナーはメンバーを集めバンドを結成する。


    シングストリート高校(Synge Street CBS)は、ダブリンに実在する学校で本作の監督 ジョン・カーニーが実際に通っていた高校だそうです。
    そのモットーは劇中にもあるとおり「Act Manly(雄々しくあれ)」。
    コナーの家は苦しいながらも、労働者階級でも上の方にいたように見えます。
    余談ですが、同じ時代のダブリンを描いた音楽映画『ザ・コミットメンツ(1991)』では、若者たちはもっと荒んだ感じの掃きだめのような街で、皆実業保険を受けて生活していました。
    労働者階級の下層に位置する彼らがバンドを結成、オーディションに出場したりでレベルアップするにしたがって、内部抗争が勃発…といった内容。
    少し違うのは彼らが目指す音楽が、こてこてのソウルミュージックであるところ。
    『ザ・コミットメンツ』のコーラスの女の子3人組の中の1人が、コナーのおかあさん役を演じているのも感慨深い部分。

    本作を見ていると、『あの頃ペニー・レインと(2000)』とどうしてもダブるところがあるんですね。
    コナーの兄貴ブレンダンが、『あの頃…』の中で主人公にライター目線から熱弁をふるいつつロックを伝授する師匠 レスター・バングス(演 フィリップ・シーモア・ホフマン)であり、音楽の聴き方を教えてくれたウィリアムの姉(ズーイー・デシャネル)の役割を果たしています。
    『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)』を意識したシーン(プロムシーン、「海の深海パーティ」は、50年代の共学の高校のイメージ)は、ミュージカル風に演出されて、その辺も80年代半ばを回顧できる部分です。

    カーニー監督は、子役(子役というよりはティーンアクターかな)の使い方も上手です。
    バンドのメンバーたちは、数多くのティーンの中からオーディションで選りすぐった子たち。
    主役 コナーを演じるフェルディア・ウォルシュ=ピーロは、ほっぺが赤いまだまだ青さが残る男の子だったのに、バンドのスキルがあがるとともに大人っぽくなっていくところがリアルでした。
    バンドでコナーとともに作曲するギター担当のエイモン(マーク・マッケンナ)も、80年代の子役俳優コリー・フェルドマン+シャイア・ラブーフを足した雰囲気でオーラを漂わせています。
    エイモンがいつもウサギを抱いているのは、『ザ・コミットメンツ』のガラクタ屋のダフィーからの発想じゃないかなと思います。
    重要な役割を果たしているコナーの兄 ブレンダン役のジャック・レイナー。
    見た目はタフなのに、実は繊細なんですよね、ああいうタイプの男の子。
    彼は、見た目デイヴ・リー・ロスがいたころのヴァン・ヘイレンのベース マイケル・アンソニーとかセス・ローゲンに似た風貌で一度見たら忘れないルックスです。

    「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のダンス・パーティ風に

    長くなりすぎたので、そろそろ占めましょう!
    ラスト・シーンではもう、うわぁ〜!って涙が溢れました。
    古いですが『小さな恋のメロディ(1971)』のトロッコを漕いでいくシーン、はたまた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997)』のラストを思わせます。
    弟を見送るブレンダンは、まさに『グッド・ウィル・ハンティング』のベン・アフレック。
    コナーの成長を描く一方、兄と弟の物語でもあります。
    ラストで流れる音楽は、MAROON5のアダム・レヴィーンが歌っています。

    DVDが発売されたばかりなので、是非一度見て欲しい作品であります。
    特に、80年代に青春してた人たちや80’s音楽が好きな方にオススメの一本でした。

    作品情報
    シング・ストリート 未来へのうた
    (原題:Sing Street)

    監督・原案:     ジョン・カーニー
    原案     :     サイモン・カーモディ
    製作     :         
        アンソニー・ブレグマン
        ジョン・カーニー
        ケヴィン・スコット・フレイクス
        クリスティアン・グラス
        マルティナ・ニーランド
        ラージ・ブリンダー・シン
        ポール・トライビッツ
    撮影     :     ヤーロン・オーバック
    編集     :    
        アンドルー・マーカス
        ジュリアン・ウルリッチ

    80'sの音楽についても、もっと書きたかったのですがとにかく長くなりすぎましたので別途記事にしようと思います。

    ホール&オーツの『Maneater』のあの有名過ぎるベースを使ったシング・ストリート名義の曲『Drive It Like You Stole It』も、ものすごくよいっ!!!






    American Honey / アメリカン・ハニー(原題) - 2016

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    『ラ・ラ・ランド』の前売り券を買っておきながら、まだ見ていない。
    時間がないわけではないけれど、来週は息子の受験日もあって、心に余裕がない。
    劇場に行っても楽しめない気がしている。
    とはいいつつも、自宅では旧作を見たり、取り寄せた海外版DVDを観賞したりはしている。
    昨年からネットで知って惹かれる1本があり、少し前にDVD(北米版)で観賞。
    ひさびさに琴線にふれる作品、期待通りだった。

    映画『American Honey』に流れるカントリーミュージック『アメリカン・ハニー(2010)/ レディ・アンテベラム』を聴いてしんみりしながら、“旧きよきアメリカ”とはいつのことをいうのだろうとふと考えてしまう。
    私が考える“旧きよきアメリカ”とは、自分が小さい頃にテレビで放映される映画で見ていた時代のこと...経済的に豊かで映画・音楽文化が発展していた頃のアメリカだ。
    本作は『アメリカン・ハニー』の歌詞に出てくるようなすくすくと育った奔放な女の子が大人になっていく数ヶ月を描いている。
    ノリのいいヒップホップ、そして対をなす心に染みわたるカントリーミュージックを配して作品にメリハリをつけている。

    ストーリー
    18歳のスター(サシャ・レーン)は、父親違いの妹弟の面倒を見ながらその日を暮らしていた。
    飲んだくれの継父は、いやらしくスターの体をさわりまくる。イヤなことを耐え忍ぶ悲惨な日々。
    そんなある日、Kマートで奇妙な集団に出会う。
    バンに乗りこみ、家々を回って雑誌を売りながら旅をして暮らす若者たちだった。
    ミジメな生活から逃げ出す一心で仲間に加わることにするスター。
    若者たちの中に、偉才をはなつ青年ジェイク(シャイア・ラブーフ)がいた。
    ジェイクや若者たちの仕事ぶりに常に目を光らせるボスは、クリスタル(ライリー・キーオ)だ。
    ジェイクにマガジン・セールスの手ほどきを受けるうち、ほどなく二人は愛し合うようになる。

    みずみずしい映像はカメラワークの賜物


    キャスト
    スター − サシャ・レーン
    ジェイク - シャイア・ラブーフ
    ペーガン - アリエル・ホルムズ
    クリスタル - ライリー・キーオ
    コリー - マッコール・ロンバルディ

    スタッフ
    監督・脚本:アンドレア・アーノルド
    撮影:ルビー・ライアン
    公開:2016年5月15日(カンヌ映画祭) 2016年9月30日(アメリカ)
    製作国:イギリス
    原題:American Honey

    ジェイクはクリスタルの腰巾着的な存在?!

    スターを演じる新人サシャ・レーンが、素晴らしい!
    その姿を見ているだけでも飽きない。
    以前にべた褒めした『アデル、ブルーは熱い色(2013)』 のアデル・エグザルホプロス、もっと遡って『ベティ・ブルー(1986)』のベアトリス・ダルを彷彿とさせるカリスマを感じる。
    さりとて、ベアトリス・ダルのような心の弱さを秘めたタイプではなく、その真逆。
    彼女を見ていると、何か精とか精霊的なものが憑いた力強さを感じさせる。サシャ・レーンのルックス...特に目力からくるのだろう。
    彼女の父親はアフリカン-アメリカン、母親はニュージーランド人でマオリ族の血を引くらしい。
    サシャと対照的なのがライリー・キーオ演じる若者たちのボス、クリスタルの気だるげな目だ。
    (ライリーは、リサ・マリー・プレスリーの娘。ちょっとクリステン・スチュワートに似てます)
    劇中のスター、ジェイク、クリスタルの関係の変化が面白い。
    ジェイクがスターを本気で好きなのか、金にいやしくオンナを利用しているだけの男なのか謎だ。
    しかしながら、中盤からスターとの関係が徐々に翻倒していく。

    陽気にヒップホップにのって盛り上がりながらも、どこか覇気がない若者たちと一線を画すスターが放つオーラを手持ちカメラで収めるカメラワークが秀逸だ。
    中でも、ジェイクが運転する車の助手席で立ち上がり、ノリノリで踊るワンシーンがなんともキュンとそしてジーンとさせる。

    サシャ・レーン以外では演じきれない主人公スター

    カントリーミュージックがラジオから流れてくるとスターは奔放に叫ぶ。 
    Wow!   I feel like I’m ****ing America !!

    本作のポスターにもなっているシーンだ。
    人生の中の一時期だけ期間限定で放たれるオーラと流れゆく一瞬一秒の風景がシンクロして美しい。

    ラストは、受け手にあれこれと考えさせる終わり方でとても気に入った。
    ジェイクが、スターにとんでもないものを手渡すのだ...何か?!
    言わないでおこう!
    2016年カンヌ国際映画祭でJury Prize(審査員賞)を受賞。
    日本公開はされない(DVD発売なし)ながらも、見てよかったと思わせるロードムービーだ。
    163分と若干長尺なのは、うーん...ヒップホップで浮かれるシーンが長過ぎたか?!
    いづれにしても
    映画でアメリカアメリカした風景を眺めつつも、先に触れた“旧きよきアメリカ”は、もう消滅していくんだろうなって感じてしまう作品だった。

    追記 :
    アスペクト比4:3にした画面は、効果的だと思いました...大画面で見たい!


    参考までに...レディ・アンテベラムが歌う歌詞の一部です。

    There's a wild, wild whisper
    Blowin' in the wind
    Callin' out my name
    Like a long lost friend
    Oh, I miss those days
    As the years go by
    Oh, nothin' sweeter than summertime
    And American honey
    (LADY ANTEBELLUM 『American Honey』より)




    予告編

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